【亜】ｲﾝｺ物語４

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そしてジョンさんは一生懸命お金を貯めて、ｲﾝｺとまた一緒に暮らす目的を持って日本にやって来ました。

ｲﾝｺとジョンさんはまた一緒に暮らしました。

でも、ジョンさんはｲﾝｺに怒ってまたｲﾝｺに痛い事をしてしまいました。

ｲﾝｺはまた怒りました。

そしてまた許しました。

でもｲﾝｺはジョンさんに別の場所に行ってもらいました。

ｲﾝｺとジョンさんは別々の場所にいても離れられませんでした。

ジョンさんはｲﾝｺとまた一緒に暮らしたい、といつも言っていましたが、ｲﾝｺの気持ちは簡単には元に戻りませんでした。

ジョンさんはｲﾝｺとまた一緒に暮らすために、色んなお仕事をして頑張りました。

でも、ｲﾝｺは日本に戻って【飼われる事】について一杯考えるようになって、またﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに戻りたくなりました。

ｲﾝｺは【飼われている意味】が見出せなくなっていました。

ｲﾝｺは人間に選ばれるのではなく、ｲﾝｺが人間をじっくり選びたくなりました。

ジョンさんは中々ｲﾝｺをﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに戻してくれませんでした。

それでも最後の最後に、ジョンさんはまた泣きながらｲﾝｺをﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに戻してくれました。

ジョンさんは、ｲﾝｺが飼い主を選ぶようになっても、色んな人間を見た後にきっと最後には自分のところに飛んでくると思っていました。

さて、ｲﾝｺは自らﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに飛んで行きました。

いつもﾚｼﾞの横の鳥かごの中にいます。

英国から逆輸入されてきた喋る生意気なｲﾝｺの事を珍しがって、ﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟには沢山の人間が見に来ます。

このｲﾝｺには値段がついていません。

ｲﾝｺは店長さんから飼い主を選ぶ権利をもらいました。

ｲﾝｺが飼い主を選ぶまで、ｲﾝｺはずっと売れません。

ｲﾝｺはどういう人間に飼われたらいいのか毎日、毎日かごの中で考えます。

ﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに毎日、毎日このｲﾝｺに会いにくる人間達がいます。

そんな人間達を遠くから見張っている人間達もいます。

ｲﾝｺは全ての人間に同じ言葉を喋り続けます。

ｲﾝｺの考えを絶え間なく喋り続けます。

人間達の中には、ｲﾝｺと楽しくお勉強になる会話ができる人間もいます。

ｲﾝｺはそういう人間に飼われてみたいな、と思います。

でも、そういう人間はたいてい既に羽根のとても綺麗な賢い鳥を飼っています。

その中にはその羽根の綺麗な賢い鳥を売って、代わりにｲﾝｺを買おうか迷っている人間もいます。

でも、その人間と綺麗な賢い鳥が幸せなら、ｲﾝｺは邪魔をしちゃいけないと思います。

ｲﾝｺが英国に輸出される前に、一緒にﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟにいた同期の鳥達は殆どが売られて、もういません。

でも彼らは時々、ﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟ戻ってきたｲﾝｺに会いに、遊びに来てくれます。

そんな他の鳥達を見て、ｲﾝｺもいつかは彼らみたいに卵を産んだりしたいなと思っています。

ジョンさんに飼われている時、ｲﾝｺに卵が出来そうになりましたが産みませんでした。

ｲﾝｺはそれで正しかったと思っています。

毎日、毎日ｲﾝｺのところには、どんどん新しい人間が見物に来ます。

他の人間達が沢山ｲﾝｺを見に来るのが嫌になって、ﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに来なくなった人間もいます。

ｲﾝｺは毎日、毎日考えています。

ｲﾝｺにとって色んな人間達と色んなお話で絶え間なく喋れるﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟ暮らしも、とりあえず悪くありません。

それでも、このまま飼い主を選ぶ方法を続けていたら、ｲﾝｺは死ぬまでﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟのﾚｼﾞの横のかごの中にいるんじゃないかとﾁｮｯﾄ心配にもなります。

ｲﾝｺは、喋るｲﾝｺを珍しがって、可愛がってくれる人間に今すぐ飼われるべきなのか、

他の鳥を飼っていない人間でｲﾝｺが心から飼われたいと思う人間がﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟに来てくれるまで辛抱強く待つべきなのか、

またﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟを離れてどこかへ飛んで行ってしまうべきなのか、毎日、毎日考えています。

ﾍﾟｯﾄｼｮｯﾌﾟのﾚｼﾞの横のかごで。

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as of 13JUN2005